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SMC静岡マウンテンクラブ

静岡市の山の会---静岡マウンテンクラブへようこそ

2016年 10月  第195回山行記録


 

燕岳                     燕岳山行程図はコチラ       


                                                           

実施日:平成28年10月1日(土)~2日(日) 天候:晴れ、曇り
参加者:13名 男性:6名 女性:7名
担当リーダー:望月(亮)  サブ:大石  レポート:C
 

 
 10/1(土)
 ♪アルプス1万尺、小槍の上で♪ 
 今回は静岡マウンテンクラブH28年度の最後を飾る1泊2日の複数日山行。北アルプス
の女王、燕岳を目指します。
 JR島田駅を4時に出発し藤枝、焼津、静岡、清水とピックアップしてもらい、いざ出
発。今回のリーダーは望月(亮)さん、サブリーダーに大石さん。ゲストのTさんを入
れて13人のパーティーになりました。皆さん、よろしくお願いします。
 静岡は朝から小雨がぱらつく生憎のお天気。今年の山行は天気の心配が多くリーダー
の方々はご苦労が多かったことでしょう。朝いちばんの挨拶で「私は雨男です」と宣言
するリーダー。でも2日目は晴れ男ということなので、ひと安心。清水PAで休憩し52号
線を北上、中央道の八ヶ岳PAに着くころには雨も止み青空がのぞく。梓川PAで休憩。
 途中の峠道で沢山のお猿さんたちと遭遇。何とか道を譲ってもらい中房温泉駐車場に
10時5分に到着。記念写真を撮り10時25分に出発。あたりの空気はしんとして冷たい。
が、山道はいきなりの急登になり、たちまち暑くなる。ファッショナブルな服装に身を
包んだ若者たちとすれ違う。おおっ!さすが北アルプス。若者の勢いに負けないのが我
がSMCのKさんの黄色いねじり鉢巻。特別なオーラを放っている。ごつごつした岩の間
を縫うようにして登っていく。
 シラビソ、コメツガの針葉樹の中、ひと汗、ふた汗かき第1ベンチに10時58分に到着。
可愛い道祖神がまつられている。上着を脱ぎ、のどを潤して出発。まだまだ急登が続く。
なにせこの急登は北アルプス3大急登と呼ばれているうちの1つなのだ。(前回の山行、
日本3大うどんの水沢うどんを思い出す私。そろそろ、お腹がすいてきました。)合戦
小屋へと続くケーブルの下をくぐると、ほどなく第2ベンチ(1820m)11時34分に到着。
ここで10分休憩。燕岳に登ったことのあるメンバーの方々が「大変なのは合戦小屋まで
だから」の言葉を信じてリーダーのペースについていく。それにしてもゲストTさんの健
脚ぶりに驚く。顔色ひとつ変えずに歩いている。
 合戦沢の水音が聞こえてくる。足元にはシラタマのまん丸い可愛らしい花が。次のベン
チでの休憩だけを考えながら汗をふきふき登っていく。第3ベンチに12時16分に到着。
ベンチに並んで腰かけ、うれしいランチタイム。少し休むと身体が冷えてくるので早々に
お昼を終えて出発。第3ベンチを過ぎると青空が広がり始める。テンションもあがる。
 リーダーの(鬼)ペースに皆、必死でついていく。13時15分やっとのことで富士見ベンチ
に到着。ここからは花崗岩の山道を登っていく。針葉樹に交じりモミジやナナカマドの赤
く染まった葉が美しい。カラマツも黄色に色づき始めている。合戦小屋まで10分の看板を
過ぎると道は緩やかになる。東側の稜線には有明山が見え雲海がたなびいている。2350m
合戦小屋に14時5分に到着。ここまで標高差約900m登ったことになる。燕山荘まではあと
標高差360m。名物の西瓜は終了しており「西瓜から南瓜へ。かぼちゃのお汁粉はじめまし
た」の看板が。
 ここからは山荘での手続きがあるため先行隊のうさぎさんグループと後続隊のかめさん
グループに別れていくことになる。合戦小屋を過ぎ三角点のある合戦の頭(2488m)を
14時38分に通過する。ダケカンバは落葉し真っ白な木立が広がっている。ハイマツ、シャ
クナゲの低灌木の茂る根元にはイワカガミが紅葉し、ゴゼンタチバナが赤い実をつけている。
北東方向には有明山から東餓鬼岳への稜線が見える。風が冷たくなる。尾根の東側を巻いて
間もなく燕山荘に予定よりも早く到着。15時23分。かめさんグループも15分後に無事到着。
 燕山荘は2016年泊まってみたい山小屋全国1位、泊まってよかった山小屋全国1位を
誇る伝統の山小屋である。メンバーたちは着替えを済ませると夕飯までの時間を喫茶室でビ
ールやワイン、コーヒーを飲んで優雅に過ごす。夕飯も街中の洋食屋さんのようなメニュー。
チーズハンバーグやデザートの杏仁豆腐がとても美味しい。食事の後は山荘のオーナーのあ
りがたいお話を聞き、アルプホルンの音色に耳を傾ける。寝支度をして21時に消灯。夜中に
雨の音で時々目を覚ますが、ふかふかの布団のおかげで朝まで熟睡する。

004
登山口 これより三大急登を登ります。

039
山は秋色に化粧して
 051
合戦小屋 名物のスイカは終わっています
078
燕山荘で ふかふかの布団に包まれて
083
 燕山荘の前で少しガスがかかって ?
090
こんな山の上にイルカが ?
098
異次元の様な
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三大急登のハードなコースを登りきって。

100
山頂です



 
 10/2(日)
 4時45分に自動的に電気がつき起床。小雨が降っているようでご来光は望めそうにない。
6時に朝食を食べ7時30分に山荘を出発。燕岳を目指す。雨は上がったものの辺り一面ガス
がかかっている。うっすらとガスがかかった先に花崗岩の不思議な形をした岩が現れる。
 イルカ岩、めがね岩。その他にもCGの世界に迷い込んだような不思議な景色が広がって
いる。7時50分、2763m燕岳山頂に到着。二等三角点が置かれている。狭い山頂でメンバ
ー全員で記念写真を撮り山荘に引き返す。稜線の西側に雲海がわき、1か所だけ、陽の光が
当たり何とも美しい様子で輝いている。メンバー皆しばし見とれる。山荘に8時25分に到
着、ザックを背負い8時45分に出発。結局、気まぐれな女王はその姿を現わさず。残念。
 昨日登ってきた道を中房温泉駐車場まで下る。合戦の頭を9時15分に通過、合戦小屋着
9時25分。中房温泉方面からはたくさんの登山客が登ってくる。合戦小屋からは結構な下り
が続き昨日の登りは、どおりできつかったはずだと今更ながら納得する。富士見ベンチ9時
50分第3ベンチ10時16分、ここで休憩し第2ベンチ10時50分、第1ベンチ11時14分順調に
中房温泉へと思いきや渋滞に巻き込まれる。(昨日のお猿さんは道を譲ってくれたのにね。)
駐車場に11時50分到着。
 バスで有明荘に移動し温泉につかりビールで乾杯。食事をとりお腹を満たす。13時30分に
有明荘を出発。道の駅ほりがねの里でリンゴや野菜などお土産を調達し富士川SA、清水PAに
立ち寄り清水に19時に到着。残念ながら360度、大パノラマは望めませんでしたが「何とか
雨に降られずアルプスに登って無事に帰ってこれた」と笑顔で話す皆さん。本当に懐が深く
て、ますますSMCが好きになってしまいました。望月さん、大石さん、お世話になりました。
ありがとうございました。メンバーの皆さん、お疲れ様でした。来年の複数日山行を楽しみに
しています!
 追伸:この原稿を書きながら燕山荘のFacebookを見たところ2日の9時過ぎからガスがきれ、
この秋最高の展望が広がったようです。最後まで女王は気まぐれだったようです。  [C]