• お問い合わせ
  • サイトマップ
SMC静岡マウンテンクラブ

静岡市の山の会---静岡マウンテンクラブへようこそ

トップページ > 2012年 山行記録

2012年 12月  第124回山行記録


 竜頭山 標高1351.6m      
                                                     
   実施日:平成24年12月9日(日)              
  天候:晴れ         
  参加者:20名    男性:19 名 女性:9名  (ゲスト参加1名)
    
  竜頭山は浜松の北方に位置し遠州の人々にとっては馴染みの山、静岡で言う竜爪山のように山歩きの初心者からベテランの体調造くりにと親しまれている山らしい。この遠州浜松には遠い幼い日の思い出がある。戦後間もなくの頃、当時は子供向けの遊びの施設などは無く、子供達はガキ大将に引き連れられて悪戯ばかりして日々を過ごしていた。当時の危険な遊びの一つに鉄道線路でのメス作りがあった。線路に五寸釘を置いて列車に轢かせて平に伸ばすのだ。国鉄の電化が完全ではなくSLも未だに走っており、一緒に線路で遊んでいた次兄がそのSLに跳ねられ、偶々近くを通った復員兵が応急措置をして助けてくれた。当時近くに整形の外科などは無く紹介を得て浜松の病院へ入院。確か天竜川近くの開けた場所だった。
 病院の窓からは天竜川の上流に蒼い墨絵のように山々が連なっていた。母は窓にもたれて山々を見つめてはよく歌っていた。「遠い山の向うの知らない街よ いつか馬車に乗って行きたい街よ」。戦後の日々、生活だけでも死に物狂いのところへ息子の大怪我と入院生活、どんなに不安であったのだろう。山の向うの未来に希望を繋げようと懸命になっていたのに違いない。そんな苦しみも知らずに私はただ未だ見ぬものに憧れ、明るく無邪気に一緒に口ずさんでいた。あの墨絵のような山々の連なりには竜頭山の頂もあったに違いない。 
 
 dc121010
竜頭山山頂にて。寒さで笑顔も引きつっている。
 
  標高差1200m強の登りはきつそうだが、下りはバスの計画、何とか歩けそうと参加させて頂く。大分早めに集合場所に行くともうリーダーが待っていた。大分力が入っている。キャンセル待ちでの参加者もある盛況、28名満員のバスは定刻5分前には出発。6:25.新東名を静岡から浜松浜北ICへと向かう。天気は良さそうだ。8:30には大井登山口。流石は金原明善のご当地、見事な杉の美林が広がっている。交通の混雑を避け、早々に登山開始。途中で準備体操。登山路は良く踏み込められ、歩きやすい。手入れの行き届いた杉の植林地を登る。鳥の声もない。だらだらと単調な登りが続く。 右手に大きな石垣が現われる 9:40.平和集落跡だろう。登山路沿いにも石垣が積まれている。標高100m毎に案内板があるが、なかなか高さが稼げない。明るい鞍部に出る、青ナギ10:00.暗い植林の登山路が続く。バスの運転手からリーダーへ緊急連絡。スーパー林道が使へないので山頂での迎えが出来ないと。止む無く歩いて下山することに。グループ分けして山頂を目指す。途端に急坂となる。標高1100mを越すと漸く植林が途絶え、明るい落葉樹林帯に入る。風が強くなり、冷たい。雪が凍っている。周遊道路出会い12:10.竜頭山展望台12:30.尚風が激しく冷たい、マイナス5
度はあるのではないか。フリース、ヤッケと重ねても未だ寒い。手はかじかんで動作も儘ならない、耳が痛い。雲が出てきて眺望は良くない。風を避けて昼食。凍えながらの記念写真。
 竜頭山三角点13:10.ほうずき平13:15.周遊道、落葉林を下り、植林地に入ると漸く激しい風も幾分治まり、冷たさも和らぐ。往路と同じ登山路を下る。木馬道でもあったらしく、心配した下りも脚への負担が思ったより少ない。青ナギ 14:35.防寒着を脱ぐ。平和集落跡15:20.15:45登山口へ全員無事に同時着。予定を変更、温泉は止め、代りにコンビニと参加費一部返金の粋な計らいに一同拍手。アルコールも入って車内は今年最後の山行が無事に終わって盛り上がる。未だ陽のある中
に新東名浜松浜北ICへ。高速に入って直ぐにバスが急減速、様子がおかしい。止めて様子を見るが、直らない。パワーが揚がらず高速運転が出来ないようだ。ドライバーが忙しく連絡を取っているが悪戯に時間が過ぎて行く。あたりは夜の闇だ。何時の間に後にパトカー。説明がある。次のPまで減速走行しそこで交替バスと乗り換え。そのためのパトカーの誘導と減速走行の表示板、初めての経験だ。掛川Pにて18:45代替バスに乗り換え、19:40漸く静岡南口着。バスのドライバーが懸命に詫びている。散開。
 
dc121017
平和集落跡
dc121016
登るにつれて積雪が増える
 dc121003
山頂への急阪を登る。
  竜頭山は頂上部が公園のように手を加えられ、車でも行けるし登山路は長い登りが続く単調な杉植林。普通ならば退屈な山歩きだったかも知れない。それが車を止めて下山も歩きと言う計画変更、頂上部での激しく厳しい寒さ、バスの故障によるトラブル、思わぬことの連続で今年最後の山行きは忘れられない愉快な山行となりました。
 リーダーをはじめ事務局、皆さん大変お世話になりました。良いお年をお迎え下さい「s」 
 
 dc121008
標高100m毎の案内板
dc121006
見事に手入れされた天竜杉
 dc121005