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SMC静岡マウンテンクラブ

静岡市の山の会---静岡マウンテンクラブへようこそ

2018年 7月  第225回山行記録


 

針ノ木岳                      


                                                         

実施日:平成30年7月27日(金)~28日(土)  天候:晴
参加者:9名 男性:7名 女性:2名
 担当リーダー:大石  サブリーダー:熊谷  レポート:阿部
 



 静岡マウンテンクラブの今回の山行は、後立山連峰南部の針ノ木岳、蓮

華岳。当初の計画では扇沢から針ノ木小屋泊、針ノ木岳から蓮華岳~北葛

岳~七倉岳~船窪小屋泊~七倉山荘へ縦走であったが、台風12号の影響

により「安全登山第一」を旨とする当クラブ、日程を1日短縮しての山行

となった。
 第1日目 7月27日(金)晴れ 
 朝4時島田市役所発 5時静岡駅南口を小型バスに9名で出発。静岡IC

~新清水IC~六郷IC~安曇野IC8時35分通過~長野県大町市扇沢バスタ

ーミナル9時33分到着。
 扇沢は黒部立山アルペンルートの長野県側起点であり、大勢の登山者と

観光客で賑わっている。バスを降り立つと青い空と雄大な山々が目に飛び

込んできた。はやる気持ちを抑えメンバーそれぞれ支度を整えストレッチ

・準備運動をして、9時45分出発。バスターミナル横の登山口で、リー

ダーが登山届を提出、受付係の方から装備やコース状況などの確認を行い

9時52分登山道へ入る。
 うっそうとした深緑の森の中をしばらく進むと気持ちのいいブナの森が

現れた。積雪の多い日本海側はブナの森が多くなると聞いていた通りであ

った。11時23分、大沢小屋に到着。大正14年から営業とある大沢小

屋は、日本三大雪渓の1つ針ノ木雪渓アプローチへの入り口である。
 11時36分、小屋を出るとアップダウンのある険しい高巻道へ。所々

ロープが張られていて滑りやすくなっており、ゆっくりと慎重に進んで行

くと目の前に雪渓が飛び込んできた。白く輝く雪渓が青空まで続いている

ようにさえ見えた。もう少し行けば雪渓に乗ることになるだろう。雪の多

いシーズンだと夏でも2kmに及ぶそうだ。

 小屋から約50分。雪渓の入口に到着、水量の多い沢にかかる木橋を渡

った所でアイゼンを装着し雪渓歩きスタート。12時30分、雪渓の上は

峠から吹き降ろす冷たい風が気持ちいい。目線を上げると青い空と峠まで

続くダイナミックな雪渓の全容が見渡せる。
 しばらく登ると両側に岸壁が迫る。「ノド」と呼ばれる針ノ木雪渓で一

番狭く傾斜の厳しい場所だ。ノドを通過し左へカーブした場所でアイゼン

を外し夏道へ。今度は岩登り高巻道を行く。振り向くと、鹿島槍ヶ岳方面

、岩小屋岳、爺ヶ岳の稜線が連なる。2100m付近まで登ると一面に花

畑が現れてきた。固有種のキヌガサ草、ミヤマキンポウゲ、ミソガワ草、

チングルマなど多くの花が咲く。花畑を抜け厳しい傾斜の九十九折れを慎

重に一歩一歩上り詰めると針ノ木峠の標識が見えた。
 2536m、針ノ木小屋に15時20分到着。「針ノ木」の名前の由来

は峠周辺に多く生えるハンノキがなまって針ノ木になったそうだ。小屋で

受付を済ませ15時41分、小屋横から急登を針ノ木岳へ向かうが、途中

私を含め4名が時刻と体力の兼ね合いで登頂を断念。(私は体力つきて)

小屋へ戻り槍ヶ岳、穂高連峰、鳥帽子岳、水晶岳、野口五郎岳など雄大な

眺望を楽しみながら体を休めた。
 健脚5名は16時33分針ノ木岳山頂を踏み17時20分には小屋へ帰

ってきた。17時40分、夕食をとりその後夕陽に映える槍ヶ岳と穂高連

峰を楽しみ20時頃には寝床に入った。

 
DSC00266
           林道終点、針ノ木岳をバックに。            
DSC00261登山道入口
ここから始まる。
DSC00268
大沢小屋にて。
DSC00269雪渓入口
大雪渓末端。
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針ノ木大雪渓を登る。
DSC00283
                                                 
DSC00306針ノ木峠
針ノ木峠
DSC00316
夕映えの北アルプス南方方面。
 
DSC00328下山前
2日目、針ノ木小屋出発。
IMG_6181
登頂組。
IMG_6179
大雪渓を下り一休み。
 
  第2日目 7月28日(土)曇り小雨
 4時少し前に起床、天候が気になり窓から覗く、雨は降っていないよ
うだ、稜線も微かに見える、寝床を整理し外に出ると先発組が準備して
いる、針ノ木岳を見上げると大きなザックの後ろ姿が見えた。ポツポツ
と小雨が落ちてきた、5時10分からの朝食の列に並びリーダーを中心
に今日の行動を話し合う、テレビの台風予報が気になる、残念ではある
が蓮華岳には向かわず下山となった。今回は私自身の体調不良でメンバ
ーの皆さんにご迷惑をお掛けして申し訳ない気持ちが残った。
 6時00分針ノ木小屋を後に昨日登ってきた道を扇沢へ、九十九折れ
を落石に注意しながら慎重に降りる。6時55分お花畑を過ぎた所でア
イゼンを装着し雪渓を降る、上り同様に「ノド」の急斜面は慎重になる、
上ってくる3組のパーティと挨拶を交わした。7時53分雪渓の終わり
に到着、アイゼンを外す。雨が少し強くなってきた、木橋を渡り高巻道
へ、昨日気がつかなかったが多くの花が登山道脇に咲いていた。
 8時35分大沢小屋到着、雨宿りとコーヒーで体を温めて8時59分
小屋を後にしてブナの森、深緑の森を帰り10時24分扇沢バスターミ
ナル到着、みなさんお疲れ様でした。素晴らしい雪渓歩きと深緑の森、
日本海側特有のブナの森、高巻道の岩場、お花畑、九十九折れの急斜面
と経験でき感謝します。
 バスに乗り込み薬師の湯で汗を流しビールと軽い食事をして12時30
分帰路についた。途中、松川村道の駅でそれぞれにお土産を手に17時
10分静岡駅南口到着。
 大石リーダー、熊谷サブリーダーありがとうございました。今回は台風
の影響に苦労させられたと思います。みなさんお疲れ様そして有難うござ
いました。