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SMC静岡マウンテンクラブ

静岡市の山の会---静岡マウンテンクラブへようこそ

2017年 12月  第217回山行記録


 

山 伏                              


                                                         

実施日:平成29年12月10日(日)  天候:晴
参加者:21名 男性:12名 女性:9名
 担当リーダー:阿部  サブリーダー:片山  レポート:I
 


 ♪知らなかったよ 空がこんなに青いとは♪
 静岡マウンテンクラブ第217回登山は安倍奥で人気の高い山伏です。

静岡の方にはおなじみの山ですが今まで地元の山に縁がなかった私は前

から楽しみにしていた山でした。
 バスはまだ暗い中、定時に静岡駅を出発。今回の参加者は総勢21名。
本日のリーダー阿部さん、サブリーダー片山さん、よろしくお願いします。

 心配事は晴れのち雨の天気予報と山道の状態。凍結に備え念の為、軽ア

イゼンを持参することとなっていた。数日前に阿部さんが新窪乗越まで下

見に行ったところ雪は大丈夫との話にひと安心する。県道29号線を北上。

途中、道が凍結している箇所もあったが何とか無事目的地の大谷崩の駐車

場に到着。辺りはまだ薄暗く沢沿いには一昨日降ったのか所々雪が残って

いる。かなり冷え込んでいるので沢山着込む。体操を済ませゆっくりと登

り始める。雲一つない空には白く半月が浮かんでいる。登山道入口で記念

写真を撮る。今から向かうのは大谷崩のルート。大谷崩は長野県の稗田山

崩れ、富山県の蔦山崩れと並び日本三大崩れの一つとして数えられている。

1707年の宝永地震によってできた(静岡県の方にはおなじみの南海トラ

フですね)山体崩壊。地震のエネルギーの凄さに只々驚く。登山道をしば

らく進むとカモシカ君(さん?)がお出迎え。しばしにらめっこするも、こ

ちらが進めば素直に道を譲ってくれる。辺りの木々はすっかり葉を落とし

冬の装い。程なく扇の要1379mに到着する。誰が命名したのか確かにド

ローンで上空から見てみればここが要なんでしょうね。陽もだいぶ昇り道

も急になりだす。筍の皮を剝ぐように帽子を取りウインドブレーカー、フ

リースを脱ぐ。道はザレていて歩きにくい。それにしても空が青い!

 目指す新窪乗越をはさんで両脇に崩壊地、そしてブルーの空。というこ

とで勝手に、こっそり命名させて頂きます。その名も“山伏ブルー”いかが

ですか?
 振り返れば安倍奥の山々が連なりその奥にはうっすらと伊豆半島が見え

る。ここからは足元も悪くかなりな急坂となる。ここは阿部リーダーのホ

ームマウンテン。「ここからは少し急になります」「あそこまで行ったら

緩やかになります」と的確な指示を出してくれる。なんとか1855mの新窪

乗越に到着。風が冷たい。ここからは聖、荒川三山など南アルプスの山々

が見える。北西方向には大谷嶺、八紘嶺への登山道が伸びている。山本さ

んのお話によると、この登山道にはイワカガミの群生があり季節になると

ピンクと白の2色の花が咲くそう。八紘嶺も是非一度行ってみたい山にな

る。ここからは稜線歩き!とウキウキしていたが大間違い。小ピーク2つ

下る道が急で所々凍っている。ありがたいことにロープが張ってあるので

ロープのお世話になり慎重に進む。木々の間からは南アルプスの姿が見え

る。あれは北岳?やっぱり赤石は見えない?などと言いながら進む。ここ

を過ぎればダケカンバ、コメツガの林の中の緩やかな道になる。ケーブル

跡を過ぎここで今日初めてマウンテン名物の点呼が始まる。ここから静か

な森の中を1時間ほど進み山伏2014mに到着する。

 

登山開始
           登山開始            
DSCN6509
安倍支流を渡渉
危険ロープ
ロープでそろそろ、急な下り
山頂
                  山伏山頂・・・              
乗越スタート
乗っ越しスタート
山頂手前
雪道を進む


 山頂には広い笹原が緩やかに広がっている。山頂からの展望は素晴らし
く上河内岳、聖岳、赤石岳、荒川、悪沢岳、塩見岳、北岳(※阿部リーダ
ーより)雪を頂いた真っ白な南アルプスの山々が見渡せる。また木々の間
には雄大な富士山も見える。南アルプスを独り占めできる場所に移動し贅
沢にランチとする。
 風もなく日差しも暖かい。食事をしているとグループ登山の方が見える。
やはり南アルプスの見えるここでランチを取る様子。下山の道の様子が知
りたかったので「西日影沢からですか?」と聞くと「別のルートからです」
との答えが返ってくる。この方、長身、やせ型、足が長く、背筋がぴんと
伸び、眼光鋭く、いかにも山屋さんといったご様子。バリエーションルー
トもあるのねと思っていたところに聖平小屋のご主人とわかり納得がいく。
富士山、南アルプスそれぞれをバックに、カニの名前を呼びながら記念写
真を撮る。ヤナギランが美しく咲く夏にまた来てみたいと後ろ髪を引かれ
ながら山頂を後にする。
 ここから南に緩やかに下っていく。百畳峠への道を分けて南東に延びる
急な斜面をつづら折れに下る。何とかアイゼンを付けずに降りていく。約5
00m下った地点にある蓬峠までが果てしなく長く感じられる。蓬峠1481m
にようやく着くとD木さんが「バスお迎えに来てる?」といつもの調子で言
うので皆で笑う。ここから後半戦!沢を何度か渡る。杉木立ちの中の道をど
んどん下る。まずは大岩へ。大きい岩があれば思い出す、つっかえ棒。大岩
が見えた時点で手ごろな枝をゲット。そんな私にO石さんが「願い事です
か?」私「願い事が叶うの?」ニヤニヤ笑うO石さん。いとも簡単に騙され
た私。ともあれ持っていた枝で大岩を支える。するとこのやり取りを聞いて
いたN藤さん、M瀬さんも枝を持って大岩にたてかけ何やら拝んでいる様子。
なかなか罪深いO石さん。記念写真を撮りまだまだ下っていく。ここからの
下りがかなりしつこい。もう嫌になりかけた時に水色のバスの姿が!20分
早く登り始めた時間を上手に使って予定通りの時刻に下山。
 途中、黄金の湯に寄り汗を流す。帰りのバスでリーダーが下見に来た時に
黄金の湯でD木さんに偶然会った話で盛り上がる。静岡に着く頃には辺りは
すっかり暗くなる。皆さん、朝暗いうちから暗くなるまで丸1日よく遊びま
した!
 阿部さん、片山さん、クラブの皆さん、本日はお世話になりました。あり
がとうございました。山伏は2017年を締めくくるいい山でした。
また来年もよろしくお願いいたします。 (Ⅰ)


「行程」
静岡駅6:00-大谷崩P7;30-登山口7:40-扇の要8:05-新窪乗越9:27ケーブル跡10:38-
山伏11:30昼食―蓬峠13:25-大岩14:06-登山口P14:55-静岡駅17:15