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SMC静岡マウンテンクラブ

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トップページ > 2012年 山行記録 > 10月その1 磐梯山・安達太良山・一切経山

2012年 7月  第116回山行記録


 磐梯山・安達太良山・一切経山      会津の名峰 3座を楽しむ
                                        

  実施日:平成24年10月12日(金)13日(土)14日(日)
  天候:曇りのち晴れ         
  参加者:23名  男性:14 名 女性:7名
    
 残念なことに体の故障で今年の夏山の半分、初秋の山歩きが出来なかった。忘れもしない8月の15日朝、左の腰に違和感があり、掛かり付けの整形院で診てもらうべく玄関で仕度をしていると、急に左脚全体に激痛が走りどうにもならずに救急車で病院に運ばれることになってしまった。以来10日間ほどは殆ど身動きできず、2週間後あたりから松葉杖を使って室内を、その後には杖を使って近所をと歩行訓練を重ねた。当クラブのONB(オールド ナイス ボーイ)Sさんがダブルストックを届けてくれたので、それを使って日本平、谷津山を5回ほどザックに重石のペットボトルを入れ、山道を歩いてみた。どうしても今回の山行に参加したかった。
 今は「原発事故」が枕詞となってしまった福島の山野ですが、私にとっての福島は、明治維新へと続く日本の近代化への一時期に特異な個性を見せた「会津武士」、「会津」と言えば「磐梯山」。桶職人で酒好きな祖父の十八番は「朝寝朝酒朝湯が大好きで、それで身上つぶした~」だった。過って東北への旅の途中、猪苗代湖畔からの磐梯山の眺めが私の山の原風景です。今回の計画では登りが2時間強で同じルートを下ることになっている。もし無理なら途中から引き返し、二日目、3日目は温泉にでも浸かって皆さんの下山を待たせて貰おうと、勝手に決めて参加させて頂いた。何とか無事に3日間を歩くことが出来、三つの山頂を極めさせて頂きました。先ず持って皆さんの応援に心から御礼申し上げます。 (佐藤)
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五色沼から望む磐梯山(右)と櫛ケ峰
10月11日(木)曇り 
 23:00 静岡発。22名乗車の大型バスは丁度一人に二席。皆さんそれなりに工夫して寝床をセット。うとうとする程度の睡眠は取れたようだ。
 10月12日(金)曇り 高速道が渋滞で予定より遅れる。磐越道 バンダイPで朝食 5:50.猫魔八方台6:40入念に準備運動をして八方台コースを登り始める。このコースが幾つかあるコースの中で標高差、歩行距離が一番短いようだ。長めにストックをセットして緊張して登る。標高差600メートル強、持つだろうか。思ったより登山道は歩きやすい。明るいブナ林が広がっている。コケを配したような木肌が美しい。殆どが同じような太さのブナの純粋林。多分、火山の噴火で焼け野原になった後にいっせいに再生されたのではないかと勝手に想像する。
 硫黄の臭いがきつい。朽ちた小屋がある。中ノ湯跡に7:30.樹林帯が続く。空は曇り、湿った霧が流れる。両腕に力を入れてストックを突く、脚への負担は思った以上に軽い。林が尽きると眼下に濃い緑の針葉樹に囲まれた幾つかの湖水が見える。紅葉には未だ早いのだろうか、色付いた葉は少ない。弘法清水 8:50.清水で喉を潤し、急坂を登り続ける。雲が時々切れるが、相変わらず天気は良くない。霧が流れ、風が強くなる。
 9:40 磐梯山山頂着。やったと、思わずストックに力が入る。しかし天候が悪い、見晴らしも悪く、風が強い。それでも何とか歩きとおした高揚感に包まれて大満足。長居は無用とばかり往路と同じルートを下山する。弘法清水10:20.中ノ湯11:50.八方台12:15.全員無事に下山。
 写真談義を交えて五色沼をゆっくりと散策。14:20 14:50には今宵の宿、登山家田部井淳子の経営する磐梯沼尻高原ロッジ。やはりきつかったのか、左脚特に膝の周辺の感覚がおかしい。宿の温泉は熱い源泉垂れ流し、浴槽は小ぶりながら木の樋で温度調整するなど中々の趣。内湯、露天風呂とゆっくりと時間を掛けて温泉に浸かり、癒す。アルコールも控えめにして早めに就寝。明日の安達太良山も何とか歩けそうな予感。「s」

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急登はいつもながら辛い
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色づいた紅葉に足も軽くなる
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今はもの悲しい「中の湯」跡
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複数の建家も朽ち果てている
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弘法清水より見る火山爆裂帯 下に見えるは檜原湖か

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磐梯山山頂にて
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五色沼は神秘のエメラルド色
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人気の磐梯沼尻高原ロッジ前で
 10月13日(土) 【安達太良山】       天候:晴れ
 本日は第120回登山「磐梯山・安達太良山」山行の第2日目で、記録者も交代です。日本百名山の一つ「安達太良山」に登ります。
 7:25 宿舎フュッテをバスで出発。乗車時はパラパラ雨粒が落ちるも、すぐに陽が射してきて今日の天候に期待が膨らむ。車窓には雄大な山の景色が広がり、間もなく本日登る安達太良山が見えてきて、高村光太郎や『智恵子抄』の話も聞かれる。
 8:02 奥岳温泉ゴンドラリフト乗り場着。多くの車・バス、登山者で賑わっている。予定ではこのリフト(あだたらエクスプレス)で薬師岳(1350m)まで登り、南から周回する予定であったが、強風によりリフトが運行停止となっていたため、下山路として予定していた北側のルートから登ることとする。一般的には下山ルートとすることが多いのと、この山唯一の「くろがね小屋」にも寄るので、結果的にはよい経験となった。
 8:17 トイレ、体操のあと出発。歩き始めは樹林の中の幅広の平坦な道を足早に進み話し声も多い。間もなく「安達太良渓谷自然歩道」を経て未舗装林道を何度かショートカットする登山道に入り、少しの険しさだが息が弾む。9:20道が再び平坦になったところで休憩。登りでは汗が出て、平らな道では風があり体温が下がるので衣服の調節がなかなか難しい。緑の中に黄、紅葉が点在するコントラストが綺麗になってきた。
 10:13 「くろがね小屋」到着。この付近は小屋の背後の「鉄山(1709m)」の、切り立った岩壁とその前斜面の紅葉が素晴らしい。小屋は多くの登山者で混雑しており、各人が温かいものを摂って10:34出発。いよいよ急登がはじまる。道は転石が多く歩くに疲れる。しかし目を上げると紅葉が綺麗で癒される。
 10:50 樹木が禿げて白っぽい谷あり。「温泉の元」というリーダーの説明。山頂方向を見ると高雲の流れが非常に速い。登るに従い風が強く、帽子などが飛ばされそうになる。
 11:20 「峰の辻」と言われる付近から「乳首山」の別名をもつ(という)山頂の形が見える。11:30過ぎ、「牛の首」と言われる稜線に出ると見晴らしは良いが、西からの風が非常に強く、時々は立って入れない程の突風が吹く。立ち止まったり身体を風上に倒したりして風に抗しながら歩く。しかし晴れているので、そう暗い気持にはならない。リーダーによるとここはいつものことで、ガイドブックにも「強風注意」と書いてあるのでそれなりの覚悟が必要ということだ。怖かったけれどもこれもいい体験になったのでは。
 11:58 山頂(南側直下標柱)到着。集合写真撮影後めいめいに急峻な岩を一登りし山頂(1700m)へ。風が強く、見える平野や山々を一々確認する余裕はないが、遮るもののない360°の大パノラマに感動する。風が強いので短い休憩後12:22 下山開始。道は石が多いが眺めはよく、風も弱い。登ってくる登山者が非常に多く、すれ違いに苦労するほど(この辺の唯一の山だからというリーダーのお話)。13:02 仙女平分岐を過ぎ13:05 道の傾斜が無くなったところで休憩。風もなく暖かでフュッテに用意してもらった弁当をゆっくり食べる。13:18出発。間もなくゴヨウマツやシャクナゲに覆われ幅も広い木道に入る(これが最後まで続く)。
 13:50 ゴンドラリフト乗り場着。運よく運転中で待望のリフト乗車が果たせた。景色はすっきりと広がっているがゴンドラの中は話で賑やか。14:10 奥岳温泉駅へ帰着。やれやれと大半の人がソフトクリームに舌鼓をうつ。14:30 バス発車。リーダーから全員怪我もなく下山できたことに感謝のことば。こちらこそ有り難うございました。
15:12 本日の宿舎である新野地温泉「相模屋」着。豊富な湯量の温泉と楽しい夕食でゆっくりと休養することができました。
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2日目ゴンドラリフト前の広場で準備体操
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遅れていた紅葉もようやく盛りか
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「くろがね小屋」と鉄山の紅葉
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晴天下いたる処この紅葉
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馬の背から覗く噴火口
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乳頭の頭に蟻の様に群がる
10月14日(日) 【一切経山・吾妻小富士】    天候:晴れ
 本日は午前中限りで一切経山及び吾妻小富士へ登る予定です。
 8:23 バスにて宿舎「相模屋」出発。快晴に近い晴れで、風もなく寒くはない。磐梯吾妻スカイラインからの車窓には紅葉した山々の遠景が広がり、良い景色だ。そのうちに樹木や草が生えない部分が多く、白煙も少し上がっている火山地帯が現れ、8:50 浄土平駐車場着。駐車場を挟んで一切経山と吾妻小富士があるが、レストハウス、ビジターセンターや自然歩道が整備され、短時間で登山もできるため一大観光地となっていて賑やかである。
 9:00 ザックをバスにおいて一切経山へ登山開始。道は丸太止め階段となっているが早足のため息が切れる。反対側山の斜面は赤、黄、緑の色の三原色が織りなして綺麗だ。
 9:40 標高1700m付近の平坦なところに着いて休憩。木道も整備され人が絶えない。1760m付近小屋のある酸ケ平から始まる上りを頑張って、10:23 山頂(1949m)着。風はあるが視界は360°で近景、遠景とも素晴らしく、特に南側には吾妻小富士の火口(お鉢)、また反対側すぐ下方には深い青色の水を湛えた円形の五色沼がはっきり見える。10:40 全員で下山開始。リーダーから「吾妻小富士へ行く人は急いで、12:00には浄土平駐車場に集合するように」との指示あり、それぞれの行動に移る。吾妻小富士火口を周った人(自分を含めて2名)、火口の見えるところまで登った人含めて全員が12:00前には浄土平レストハウスのレストランに集合。予め手配していただいたお蔭で、大変美味しい昼食を全員でスムースにいただくことができました。
 12:42 バスで帰途につくが、反対車線は浄土平を目指す車で大渋滞。おかげでこちらのバスも幾重ものカーブを通過するに一苦労。果樹園立ち寄り後16:13 福島西ICから東北自動車道へ入る。東京都内を通過するため渋滞もあったが東名高速に入ってからは順調に走り、静岡ICを経て静岡駅南口 21:30 到着。
 今回はリーダーのご苦労による日本百名山2山 プラスアルファの登山で、今年度の宿泊を伴う山行の素晴らしい締めくくりとなりました。深く感謝いたします。
また、参加の皆様も大変お疲れ様でした。 (
S.K)
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一切経山山頂にて
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一切経山全貌(登りは左手より)
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登頂した者だけにご褒美のこの景観
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避難小屋前より
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前泊した相模屋の風情ある外湯