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SMC静岡マウンテンクラブ

静岡市の山の会---静岡マウンテンクラブへようこそ

2012年 6月  第114回山行記録


 村山古道     富士山原生林に残る遺構を訪ね、古道歩きを楽しむ。

              
  実施日:平成24年6月17日(日)         天候:曇り         
  参加者:27名  男性:18 名 女性:9名
    
  世界文化遺産、大噴火説と今富士山が熱い。この日本一の山は、世界で一番登頂者が多い高峰、世界で一番早くに人間の到達した最高峰(深田久弥)、高山としては一人の人間の登頂回数の多さ、文化、芸術などで多くの人に愛され、語られるという稀有の山である。この富士山、奈良、平安時代に度々の噴火の記録が残されており、この噴火を鎮めるために浅間神社が祀られ、この時代より富士登山の記録があるそうだ。12世紀、駿河の末代上人は数百回の富士山登山の記録を残し、折からの密教と融合して富士登山を山岳信仰へと導き即身仏として村山に祀られたと伝えられている。この村山、今はわずかな痕跡を残すのみだが、戦国時代から江戸時代には修験道の拠点として多くの宿坊を構え登山者を迎え大いに繁栄したとのこと。今回の山行はこれらの遺構と自然を訪ねて初夏の富士山麓を歩く。 
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鬱蒼とした原生林が突然開け、姿を現す中宮八幡堂跡


 
  悪天候を予想、一時は街歩き?などに内容変更も考えられたようだが、予定通りに実施のこととなる。村山浅間神社にて全員で安全登山を祈願して今にも降り出しそうな空のもと出発8:00. 神社からの裏手の登山口は注連縄の村山道の石碑、濡れた石畳、霧の漂う鬱蒼たる杉林、異臭を放つドクダミの白い花が咲き乱れ、何か厳粛な気分になって歩き出す。車道、林道と交差しながら高度差830m、約10キロの道なき道を徐々に高度を上げて行く。登山道はかなり判りにくい、所々に「村山道」の標識があるが、道が流されていたり、やぶや露岩に惑わされたりして、ルートのファインデイングには苦労しているようだ。時折り雨粒も落ち、ザックカバーを着け、傘をさす人も。鬱蒼とした暗い杉、檜の植林帯を行く、霧が流れて幻想的だが湿度が高く暑い。最初の馬頭観音に8:30.フタリシズカは霧の中白い花を精一杯背伸びしているようだ。鶯が鳴いている。オオルリ、コルリ、アカハラだろうかのびのびと高いさえずり。笹は枯れて邪魔にはならないが、水溜り、倒木、剥き出しの火山岩と悪路が続く。9:20 ひらがなの「しの字」型の檜。北井久保林道9:50.登山路が明るくなり、広葉樹林帯に入る。ホトトギスが鳴き、ヒグラシがカナカナと心寂しい。札打場の大欅は巨大で異形だ10:05天照教社11:05.を過ぎ、つり橋を渡ると山の村緑陰広場11:50。ベンチ、テーブルを囲んで12:30まで昼食。 
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山行の安全を祈願して村山神社
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  dc061832朽ち落ちた大木、世紀を超えた世代交代 

















  13:20大渕林道。しばらくして植林地で道を失う、赤の道標を見つけ出して前進。林が開けてくるとブナ、ヒメシャラの古木、巨木が目立つ。中宮八幡堂跡13:35. 苔むした小さな祠が鎮座している。過っては「馬返し」と言われ、馬はここまで。ここよりは女人禁制でもあったが、現在の女性は老若を問わず、肉食系、強いこと、六観音跡まで一走りする者もいる。少し勾配がきつくなる。明るい林、苔むした大きな岩、倒木が手入れされた日本庭園のように続く、白い可憐な花はシロハナノヘビイチゴだろう。一本のヤマツツジが咲き誇っている。車の騒音が聞こえ表富士周遊道路 14:20. 往来が激しい。
伝令が走り、バスを迎えに。14:50 バス乗車。15:10/16:30「天母の湯」ゆっくりと汗を流し、生ビールから冷酒までしっかりと楽しむ。それでも足りなくコンビニで補給、富士IC、清水ICを経由 清水駅18:00に無事到着。いつものピークハントとは違う古道歩きは、見晴らしも無く、蒸して熱い暗く荒れた山中のルートを確認しながらの苦しい歩きであったが、古い修験道跡の何か霊験を感じて不思議と爽やかな気分で歩きとおすことが出来、心地良い疲労感に満たされました。下見からの準備、リーダーの皆さん有難うございました。ご苦労様でした。「s」
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村山口にて、エネルギッシュな面々