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SMC静岡マウンテンクラブ

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2012年 6月  第113回山行記録


 岩木山・八甲田山   新緑、残雪そして混浴。東北の名峰に遊ぶ。

              
  実施日:平成24年6月2日(土)・3日(日)・4日(月)         天候:晴れ         
  参加者:19名  男性:12 名 女性:7名
    
  青春時代を石坂洋次郎の「青い山脈」を読んで過ごした者にとっては東北の山々はちょっとまぶしく、時にときめきを持って想う山のようです。新緑と残雪の青い稜線を歩く山行は長い間の夢、いよいよ実現です。長距離の移動を考慮、大型バスに一人二席の割り当て、往復2300キロ余、23時間強のロングドライブでした。
 6月1日(晴)20:30 静岡駅発。新東名静岡ICより東名、首都高、東北自動車道を一路北進。
6月2日(晴)エンジン音に悩まされながらも寝込んだようだ、変な夢で目を覚ます、4:30頃なのに既に明るく陽も揚がっている。岩手県境を越えたようで好天の兆し。田植えの済んだ田園が広がりその果てには残雪の山々が連なっている。6:00 朝食を貪っていると左前方に一際目立つ山容が見えてくる。岩手山に違いない。あの深田久弥に「雄偉にして重厚、東北人の土性骨を象徴するような山である」と言わしめた名山だ。いつかは登って見たい山だ。暫くは車窓よりその山景を楽しむ。黒石IC 8:00。岩木スカイラインは急カーブ、急坂の連続、岩手山の景観が素晴らしい。 
 9:10 岩木山八合目、スカイラインリフト鳥の海噴火口 10:00.岩だらけの少しきつい登山道をゆっくりと登る。谷間はかなりの雪の量、クレバスが大きく口を開けている。登山道には紅紫色のミチノクコザクラが風に揺れている。白い可憐な一叢の花はミヤマカタバミと知った。ミヤマキンバイか黄色い花の群落が雪と岩、彼方の山とマッチして素晴らしい。キスミレ、ミヤマスミレと我らを歓迎、俄かカメランマンが忙しい。ゴロゴロの急坂を登りきって岩木山々頂着 10:55.少し霞んで周囲の眺望は幻想的。好天なら北海道も望めるそうだ。
 岩木山神社奥宮に今回の山旅の安全を祈願して下山。往路を下る。急な下りを慎重に歩く。好天の週末にも拘らず他の登山者は少ない。九合目の小屋で昼食 11:50.リフトで八合目 12:20.岩木神社本宮を参拝 13:00.みちの駅「いなかだし」でアルコール調達。弘前城下の町並みを抜けて黒石から今宵のお宿酸ケ湯温泉へ。15:35 国民保養温泉「酸ケ湯温泉旅館」着。夕飯前に名物、総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」へ。熱めの乳白色の温泉にじっくりと浸かり疲れを癒す。マナーの悪さから混浴のよき風情が失われているとの注意書きが空しい。地元の冷酒で乾杯、本日の無事を寿ぎ、夕食は山の幸を堪能。千人風呂に再度挑戦、水着女性との混浴で満足して8:30には早々に床に就く。
 
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下毛無岱の水芭蕉と八甲田山
 
  6月3日(晴) 5:40 起床。バイキング朝食で腹を満たして出発 8:25.ゴールドラインを山麓駅へ。新緑のブナ林が太陽に映え、林間には未だ多量の雪が残り、ブナの巨木の根本がぐるりと樹熱で融けてえぐれている。
 9:00 一番の八甲田ロープウエイで山頂駅へ。展望台で残雪の東北の山々の眺望をゆっくりと味わって出発9:45.歩き出して直ぐに残雪の湿原、先行者の足跡も無く、目印も無いのでルートファインデングに苦労する。雪原に雪溶け水が広がり、じゃぶじゃぶと水溜りを歩く。ようやくにして田茂萢湿原の展望台に辿り着きルートに取り付く 9:45.念のためにスパッツを着装。天気良し、空の青、ハイマツの緑、雪と岩、彼方の残雪の青い山々が一体となって素晴らしい。尾根筋に出るとオオシラビソの樹林帯、鶯が珍しく枯れ枝に可憐な姿をさらしケケキョ、ケキョと谷渡りをサービス。谷間には厚い残雪、一部は大きく雪崩て自然の猛威を見せている。黄色のキンポウゲの仲間が群れ咲いている。断崖の稜線をつめると赤倉岳11:05.大岳を目指してやがて井戸岳山頂 11:30.雪の池畔を経て大岳避難小屋に11:50.大岳への登り口から雪が大きく広がっている。
 アイゼンを持たない者もいるので有志だけの9人で山頂を目指す。残りが昼食を取る間に雪原を登り、ハイマツ帯、岩石帯を登り詰めて八甲田山大岳山頂 12:35.念願の山頂踏破の感激に浸る余裕もなく記念写真もそこそこに下山。雪原を尻セードで降りる者もいて12:55には仲間の待つ避難小屋へ。昼食を掻きこみ、後から大岳を目指したYさんの下山をまって歩き出す。高原の池塘は未だ雪景色。初夏の太陽で照らされ融けた水が木道の際を音立てて勢い良く流れて行く。木道が冠水している、やまなく池塘を歩く。雪原が広がり眩しい、足を取られながらの雪中行軍。上毛無岱展望台 14:05.水芭蕉が純白の仏炎苞を水面に映し揺れている。水芭蕉は高度を下げるほどに大きくなり、数も増えていくようだ。雪と融水、乾いた木道、沈下し冠水の木道と気が抜けない。14:40 下毛無岱。高度を下げるほど吹き溜まるのか積雪が厚いようだ。酸ケ湯まで1.3キロを過ぎて暫くして道を失う。目印の赤いリボンがどうしても見つからない。目的地まで真南で一キロの地点だ。手分けして捜すも駄目だ。
 
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山行の安全を祈願して岩木山神社
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ミヤマキンバイか?
 
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岩木山で
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左から赤倉岳、井戸岳、大岳へと縦走
 

















  何となく疲労感が漂う雰囲気になったころ、4人の家族連れの登山者が来た。ほっとする。彼等はナビをかざしてルートを確認している。彼らの後を追ってしばらくして目印のリボンを発見。大分遅れていたこともあってほっとする。酸ケ湯旅館の建物が見えてきたが、下山道はますますひどくなる。雪解け水が勢い良くながれ、泥濘み、岩は濡れて歩き難い。熊笹が張り出し足を引く、雪に押しつぶされた倒木が阻む。下山中の我々に気づいたのか、バスが近くの駐車場に寄って来た。予定より1時間半も遅れたが全員無事に下山 16:10.現金なものだ、下山の苦労も忘れてまずはビールをゲット、車中の人となる。十和田ゴールデンラインを奥入瀬渓流へ17:00.大町桂月の愛した新緑の渓流で暫し憩いを楽しんで今宵の宿に向かう。十和田湖は湖面を夕陽に染めて鎮まっている。17:35 十和田湖温泉、湖秀亭着、泊。大きなホテルだ。中学の修学旅行生達と同宿のようで何やら熱気が感ぜられる。先ずは温泉、石造りの大きな浴槽、露天風呂も広く清潔だ、温泉は熱めで無色透明、腰湯でしっかりと疲れを取る。夕食には赤ワインで百名山2座の踏破を祝う。夕食の後は大変だ、修学旅行生に触発されたのだろうか、リーダーの部屋が異常な盛り上がり、銘酒が惜しげもなく注がれ勢いが止まらない。
 6月4日(晴) 一部の人達は湖畔の乙女の像を見にいったようだが、朝寝を楽しむ。朝食はバイキング、Sさんの肝いりで旅の安全を期してビールで乾杯。8:00 宿舎発。暫くは湖畔を走る。新緑のブナの林越えに見える十和田湖は靄に覆われて神秘的、時折り見せる対岸は薄日に映えて幻想的でもある。小阪IC 8:40 平泉前澤ICへ10:45.早めの昼食を済ませて中尊寺を参拝。神妙に金色堂で奥州藤原の栄華を偲び、いよいよ帰路に13:00.高速を走っただけでは震災の傷跡はほとんど見えない。見えない彼方では未だに被災の処理に苦労している人々が多いだろうと、神妙、アルコールは入ってもいつもの盛り上がりには欠ける。ビデオの「釣りバカ日誌」で笑っている間に18;00には川口INJ。首都高、東名、新東名と乗り継いで静岡へ。以前は清水での下車が出来たのが、新東名では通過、過ぎ行く清水ICの案内板を眺めてKさん「新東名 清水は 遠くなりにけり」と発句 & 溜息。新静岡IC20:45 静岡駅には予定ピッタリの21:00に無事帰着。解散。リーダーには大変お世話になり有難うございました。皆さんご苦労様でした。  「s」
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岩木山山頂直下の急登
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雪原を行く勇士達
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